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世界の働き方を変えるべく、ビジネスチャットツールを提供しているChatWork社。現在、ベンチャーキャピタルから18億円もの資金を調達し、成長を加速させており、世界205の国と地域でサービスを展開中だ。

7月のシリコンバレーITCEにて基調講演を行う山本敏行氏に、日本人留学生に向けてメッセージをもらった。

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ChatWork
CEO 山本 敏行氏

1979年、大阪府生まれ。中央大学商学部在学中に、EC studioを創業し、2004年に法人化。2011年にビジネスチャットツール「チャットワーク」の提供・販売を開始。2012年、ChatWork株式会社に社名変更。米国法人をシリコンバレーに設立。成長を加速させるべく、2度にわたり総額18億円を資金調達。(2017年5月現在)

活躍できる社会人に共通する「5つのバリュー」

−まず御社の会社概要を教えてもらえますか。

日本発のビジネスチャットツール「チャットワーク」を運営しています。仕事のメールをチャットに置き換えることで、業務の生産性を上げられるサービスで、現在13万8000社以上に利用していただいています。
 
また、「チャットワーク」ではビジネスコミュニケーションだけでなく、ビジネスをするプラットフォームとしても使ってもらえるようにしています。「チャットワーク」でアシスタント業務を依頼したり、助成金診断をしたり、採用を支援したりと、いろいろな使い方があります。

−御社はグローバルで活動していますね。

2012年にシリコンバレー拠点を開設し、現在は台湾、ベトナムにも活動を広げています。ユーザーも現在は205の国と地域の方が使っていますね。もっとサービスをグローバルに広げていきたいので、これから外国人採用も積極的にしていきたいと考えています。

−山本さんは日本海外問わず、さまざまな人と仕事をしてきていると思います。どういう人が活躍できるのでしょうか。

自分たちの中で定義しているものが5つあります。会社の中で5つのコアバリューと呼んでいますね。紹介すると

気合や根性ではなく「自然体で成果を出す」
一見矛盾したものを両立させる「バランス思考」
節約できるものは節約し、取引先とユーザーとのWin-Win-Winを心がける「ノージャブジャブ & トリプルワクワク」
感情的に叱らず、楽しく働く「ノーイライラ & メイクユーモア」
与えていれば与えられるという精神の「ギブ・ギブ・ギブン」

うちの社風のせいか、表現が緩いんですが(笑)、この5つを実現できる人は、うちで求めている人材ですし、他社に行っても活躍できる人だと思います。

業界を知るために、まずインターンに行け

−わかりやすい表現ですね(笑)。ところで、山本さんは学生にはどれくらい会っていますか。

団体訪問とか小さなセミナーも入れれば、年に100人くらいには話しますね。きちんと面と向かって話ができるのは30人くらいだと思います。僕は起業家ですから、起業したいという人が多いですね。

−どんなアドバイスをするんですか。

よく学生に3分程度のビジネスアイデアのプレゼンをしてもらうんですが、やっぱり学生が考えるビジネスは、学生の悩み解決のようなビジネスなんですよね。旅行関係とか食事関係、あとは時間管理アプリとか。

学生はお金持っていないし、学生が抱える悩みって大きなマーケットはありません。

ビジネスプランは、だいたいバッサバッサに切り落とします(笑)。その上で、まず業界のことを知りたいならば、その業界にインターンに行くようにとアドバイスしています。

−起業ということについて、どう思われますか。

起業って、起業してからずっとしんどいし、企業規模が大きくなれば、問題もどんどん大きくなる。それでも諦めずにやり切れる、心の中の杭みたいなものが必要なんですね。

それは自分の原体験にあったりします。超貧乏だったり、いじめられてたり、身近な人の死だったり、衝撃的な出会いだったり、そういう原体験が自分の心の中に錨となって、クイッと引っかかっているかと。それがなければ、なかなか続きませんね。

もしかしたら起業家に向いている人は1%もいないかもしれない。だったら、スペシャリストを目指すのも手だと思います。CFO、COO、CTO、CHOなど、専門分野を極めるのも、起業に参画する一つの道ですよね。

留学生は自分の実力を勘違いするな

−留学生の就活について聞きたいのですが、日本を離れて勉強している留学生だからこそ、培っている力があると思います。それはどういう部分だと思いますか。

語学力はもちろんですし、あとは価値観の幅の広さですね。日本では正しいことが海外では正しくなかったりするじゃないですか。「日本が全てじゃない」という価値観は大事ですね。そういう価値観を持つ人は、会社に入っても、既存の価値観やルールに縛られずに仕事ができると思います。

でも日本の会社に入っていきなり「アメリカではこうだ」とか言い出したらダメですよ(笑)。そういう客観的な視点でのアイデアはあたためておき、目の前の仕事をマスターしてから、提案していくのがいいと思います。
 
あとはストレス耐性も強いですね。異国の地で違う言語でレポートをまとめたりするのは大変じゃないですか。それを乗り切ったストレス耐性はあると思いますね。

−一方で、留学生が就職活動で失敗しがちなことはありますか。

多くの留学生は勘違いしがちですね。よくシリコンバレーにいる学生は自分がすごいと勘違いしているんですが、そういう学生には言っています。「君がすごいんじゃなくて、シリコンバレーがすごいんだ。そこを忘れちゃいけないよ」と。

まあ、それは僕もそうなんですけどね。シリコンバレーで安倍総理と会う機会があったりしました。それは日本だったら絶対会えない。シリコンバレーがすごいから会えた。下駄を履かせてもらっている。それを忘れたらいけないと思いますね。
 
あとよくあるのは就職後に丸くなってしまうケース。よく学生には「就職しても牙を抜かれんなよ」と言っています(笑)。就職して1年くらい経つと、面白くない人になってしまうケースが多いんですね。郷に入れば郷に従うというのは大事ですが、牙を抜かれてしまったらもったいないですよ。

できたら就職する前に、自分のあるべき姿というのを書き出しておいて、1年に1回でも見直して、「あ、学生時代の俺はこう思ってたな」と思い出せばいいと思います。

情熱を持ち、まず目の前の仕事を成功させよ

−グローバルで活躍するために、就職後どんな心構えで仕事をするべきですか。

まず目の前の仕事をしっかり成功させることですね。スーパーマンじゃない限り、いきなりグローバルで大成功ってありえないんですよ。まず身近なところから成功させていく。その先にグローバルがあると思います。

常にグローバルで活躍したいという想いは持ち続けて、休暇中に海外に視察に行くとか、海外関係の部署に希望を出すとか、提案をしてみるとか、そういう活動は大事だと思います。
 
会社が「こいつに投資してやろう。こいつの言うようにチャレンジさせてやろう」と思うには、その人にそれだけの信頼がなければいけない。その信頼を得るには、任せた仕事を成功させることと、その人の情熱が大事なんですね。器用さとかじゃなくて、やはり情熱。絶対にこれをやりたいという情熱のある人にはなんだか任せてみたくなる。
 
暑苦しいかもしれないけど、情熱や想いが人を動かす、これに尽きると思います。

−最後にITCEに参加する留学生の皆さんにメッセージをお願いします。

今の自分があるのは「あの時にあの人に出会ったから」「あの情報を知ることができたから」というきっかけがあると思います。

皆さんが留学したのも誰かに勧められたとか、あの映画を見たとか、何かきっかけがあると思うんですね。

これから将来の進路を決めるにあたっては、そのきっかけがもしかしたらITCEになるかもしれません。ぜひ一歩踏み出してみてください。

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