ジャーナル

2012年の設立以来、徹底した「人づくり」を原動力に、IT業界で成長を続けているエンライズコーポレーション社。同社はITを軸に、これから「〇〇×IT」で新たなサービスを仕掛けていく予定だ。

今回は、ITCE事務局の代表理事を務め、エンライズコーポレーション社のCEOでもある吾郷氏に、未経験からエンジニアを育てる秘訣、留学生に期待することなどについて聞いた。

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エンライズコーポレーション
代表取締役CEO 吾郷 克洋 氏

1975年、広島県生まれ。大学卒業後、東京のベンチャー企業に営業職として入社。担当チームを全国1位の業績に押し上げるなどの高実績を残す。ベンチャー企業のIPOを経験後、2001年にIT企業の立ち上げに携わり社長兼COOを務める。

2012年に株式会社エンライズコーポレーションを設立、代表取締役CEOに就任。2016年にIT CAREEREXPO(ITCE事務局が運営)を立ち上げ、代表理事に就任

※本記事のみ「人材」ではなく「人財」という表記で統一しております。

ITインフラ、HR事業を軸に、新サービスも立ち上げる

–まず御社の事業内容を教えてください。

大きく分けて3つあります。1つ目がITインフラソリューション事業です。これは「システムエンジニアリングサービス(SES)」と「エンライズクラウド」があります。

まずシステムエンジニアリングサービスでは、官公庁、金融機関などの大企業向けにシステム基盤の設計、構築、保守、運用をしています。基本的にお客様のオフィスに常駐して、お客様と一緒にプロジェクトを進める形をとります。

次にエンライズクラウドは、主にWeb系の会社向けにクラウドエンジニアをシェアリングするサービスです。Web系の会社はWebを作れても、サーバーの構築・保守などは得意ではないですし、クラウドに強い人財の採用も難しい。一方、当社はクラウドに詳しい人財が多いので、毎月20〜30時間の固定契約で、当社オフィスに常駐しているエンジニアがお客様をリモートで支援しています。

2つ目はHRバリュー事業です。これは、他社から「エンライズという会社は若手人財を採用して育成することがうまくいっている。人財採用と育成をワンストップで手伝ってほしい」と言われて始めたサービスです。基本的にこれまで自社で行っていたエンジニアの採用・育成を、他社にも提供しています。

3つ目はベンチャーバンク事業です。これは新しいサービスをどんどん生み出していく新規事業です。たとえば、Webで名刺を作れる「名刺良品」というサービス、全国各地での展開を考えているシェアオフィス・シェアハウスのサービスなどを始めています。ここは経営陣だけでなく、現場の若手社員からもアイデアを出してもらい、社内ベンチャーのような形を実現できればと思っています。

–いま御社には何名のメンバーがいるのですか。

2017年4月時点で140名、うちエンジニアが130名です。今年は60名の採用を考えており、そのうち40〜50人はエンジニア未経験の若手人財を採用して育てていこうと思っています。

未経験からでもエンジニアは育てられる

–人財市場としてみたIT業界は、いまどんな状況にあるのでしょうか。

IT業界は、リーマンショックの時以外はずっとエンジニア不足と言われています。今もずっとエンジニアがいないと言われています。

ただ私が思うのは、エンジニアの頭数がいないのではなくて、できる人財がいないのだということです。エンジニアに求められることが多くなっている中、なかなか個人一人ひとりでは対応できないし、やはり業界全体で育成をしていかなければいけないと思うんです。

それなのに目の前の仕事をこなすことにいっぱいになってしまって、中長期的な視点で人財育成ができていない。これまでのIT業界では、未経験者は見て覚えろとか、聞かずに目で盗めとか、職人のような世界でした。手取り足取り、ロジックで丁寧に教えるということをしてきませんでした。

私はそういう考えは違うんじゃないかと思っています。技術は丁寧に教えるべきだし、短期間できちんと身につけられるという考えを持っています。

–未経験からエンジニアを育成していくというのはなかなか難しいと思うんですが、どうやって育成をしているのですか。

まずは未経験からでも始めやすい部分から教えています。アメリカ西海岸だと、一般的にエンジニアに求められる範囲は広いんです。Webのシステム、サーバー、ネットワーク、一人で全部やらなければいけない部分があります。

日本はエンジニアの仕事が分業されており、特にITインフラ関係は未経験でも始めやすいんです。そういう意味で、当社でもまずITインフラのスキルを育成しています。

育成環境、生活環境を手厚くサポート

–育成環境においても何か工夫している点はありますか。

一言で言えば「手厚くサポートする」ということですね。何をサポートするかということで言えば、全部です。

まず学ぶ環境を充実させる。入社後に1〜2ヶ月の研修期間を設けるのですが、そのあいだはサーバー、ネットワーク、ビジネスなど5名の専属講師がついて、プロフェッショナルなスキル・知識を教えています。

あとは、全国から入社してきますので、生活面もサポートします。会社の近くに男性寮、女性寮を置いており、全員がその寮で生活することができます。

–御社のオフィスの中にキッチンがあるのも特徴的ですね。

そうですね。研修期間中はチームに分かれて、ランチを皆で順番に作ります。ランチ一つにしても、自分たちで食材を準備して作るという段取り力、仲間と連携するチームワーク力のアップになりますね。

–御社に入社されるのは新卒が多いのですか。

いろいろなパターンがあります。高卒、大卒ですぐに入社するケースもありますし、いちど別の業界で社会人になってからIT業界に転職してくる人もいます。年齢的には20歳から26歳くらいが多いでしょうか。

どんな入社の形であれ、まずは当社の研修を受けてもらい、その後に各プロジェクトに配属される形になります。そして入社後もステップアップ研修という形で、継続的にスキルや知識を磨く機会を設けています。

英語のできる留学生はエンジニアになるチャンス

–エンジニアになるにあたって、留学生が他の学生に比べて有利な点はありますか。

やはり英語ができる点が最大の強みです。IT業界では英語を使うことがとても多いですからね。シスコ社のITインフラの最高位資格であるCCIEもすべて英語です。最先端の技術動向の情報はすべて英語で流通しています。

私たちは技術は教えられますが、英語は教えられません。そういう意味で英語が使えるのは大きなアドバンテージです。

もう一つは、精神的なタフさです。海外の孤独な環境で生活し、日々の学校の課題も乗り越えてきた精神的な強さは、仕事をしていく上でも役立つと思います。

–どんな人財を採用したいですか。

まず素直さを持った人ですね。私は20代の頃はとても生意気だったんですが(笑)、やはり素直にいろいろな人から教わることのできる吸収力のある人が良いですね。そういう人はチャンスを広げられると思います。

あと、やはり将来にわたってエンジニアとして活躍していくには、技術の習得を怠らないことが一番です。世の中を変えていくような技術を常に追いかけて、面白がれることが大事です。

–御社で活躍している留学生の例はありますか。

高校、大学をイギリスで過ごして、当社に入社した若手社員がいますね。英語ができるので、もう一つITという武器を身につけようと考えて、当社に入社してきました。

入社して1年が経ちますが、お客様からの評価も高いですね。英語のドキュメントが理解できたり、あとはコミュニケーション力の部分が評価されています。このまま2、3年すれば、エンジニアとしてもビジネスパーソンとしても成長できると思います。

もう一人、ロサンゼルスの大学に留学後、当社に入社した若手社員がいます。彼女はエンジニアではなく、営業職として活躍しています。さらに彼女は留学生の採用などもリードしてくれていますね。彼女が大学と交渉して採用説明会を開催したり、活躍してくれています。

「○○×IT」で新サービスを立ち上げよう

–最後に、ITCEに参加する留学生にメッセージをお願いします。

当社は、10年で100のサービスを作るというビジョンを掲げています。軸はITで、「さまざまな○○×IT」でサービスを立ち上げていきたいんです。さらに東京だけでなく、仙台、福岡など、各地域の人たちと事業をつくっていきたいと思っています。

地方出身の若者が、いきなり地元で未経験で起業しようと思っても難しいじゃないですか。ですから、自分の故郷に貢献したいという気持ちを持ちながらも、まず当社で技術とビジネスを学ぶ。その後に「○○×IT」で、事業を立ち上げたらいいと思うんです。

もっと言えば、これは日本だけに限った話ではありません。アメリカやアジアなど、海外でも新サービスを立ち上げられたらいいですね。これは私というより、グローバル志向の社員に任せていきたい。私自身はチャレンジしたい社員が活躍できる環境づくり、人づくりをしていきます。

新たなビジネスの創造を目指す人たちの働く環境
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